は   じ   め   詩

 

長い冬の果て、白銀の氷より生まれる一滴の雫

春を告げる、光の叙情詩

 2012年、4月、母が亡くなった。
母が、いつも顔を映していた鏡を持ち帰り、 そのまま制作中であった“ 水 の 底 に 眠 る 書 - 聖 地 - ” へ、、欠片を埋める。

 その三年後に、偶然にも父の子供時分の疎開先である北海道, 中札内村での展覧会の予定が組まれた。
( 2 0 1 5 年,「北の大地ビエンナーレ記念企画 : 木田詩子・栗原一郎」 展)
 
 北の大地が迎える瑞々しい春の感動を、一節の詩に込め、その展覧会に向け、2013年より、“ は じ め 詩 ” の制作に入る。

 銀色の厚い氷が、まっすぐ降り注ぐ春の陽に、ゆっくり解けはじめる… そのはじめのひとしずく。
 
鏡がふんだんに使われた、光あふれる“ は じ め 詩 ”の完成イメージだけが頭にこだました。

しかし、鏡が使われている彫刻など見たこともなく、制作中は不安から時に吐き気をもよおすこともあった。
 母が導いてくれた鏡という素材、、、 ヤスリを片手に、根気強くその鏡を張り込む日々が続いた。
 
 2015年,1月末, “ は じ め 詩 ” ようやく完成。

 そして、2016年,春。
その“ は じ め 詩 ” が表紙を飾ることになる、初の作品集がGllery呼友館より発刊された。
 
 呼友館の篠田正治館長をはじめ、デザイナー 梶谷芳郎氏、カメラマン 佐々木英豊氏、そして、作品所蔵の方々… 尊いご縁をいただくなか、企画・撮影に一年以上をかけ、生まれる。
   
      『 U T A C O K I D A 彫 刻 作 品 集 』



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